医療事業本部開発グループのKです。
2024年12月11日、「DX推進およびビジネスモデル構築に関する社内勉強会」に参加してきましたので、その学びと気づきを共有させていただきます。
## ビジネスモデルを考える重要性
デジタル技術の進歩により、ビジネスのあり方が大きく変わる中、私たちも新しいビジネスモデルの構築が求められています。皆さんは日々の業務の中で、既存のビジネスモデルをどのように進化させていけるか、考えたことはありますか?例えば、お客様との関係性をデジタルでどう変えていけるか、業務効率をどう改善できるか、など。
私は本でその領域に関して触れる機会があったものの、実際に考えてみるということはしてきませんでした。今回の勉強会は講師のTX事業本部のHさんにより、ハンズオン形式でケーススタディをもとにディスカッションを重ね、ビジネスモデルを作成していく実践的な内容でした。
## DXの本質を理解する
まず、DXやビジネスモデルの本質について講義していただきました。Hさんより「DXとはどんな意味でしょうか」というご質問をいただきましたが、恥ずかしながら私はデジタル化というところにしか焦点が当たっていませんでした。
実際のDXとは、単なるデジタル化ではなく、デジタル技術の活用により社会や生活の形・スタイルを変革し、全てのステークホルダーに価値を提供することです。地方における高齢者の通院手段の確保という課題に対して、デジタル技術を活用して解決策を見出すことで、患者さん、医療機関、交通事業者など、様々な関係者に価値を提供できる可能性があります。このように、ステークホルダーそれぞれに具体的な価値があってこそ、デジタル化する意味が生まれるのです。
## 急速に進化するAI技術
勉強会では、孫正義氏のSoftBank World 2023での特別講演「AGIを中心とした新たな世界へ」も紹介されました。講演では、今後10年以内にAIが人類の叡知であるAGI(汎用人工知能)の領域まで到達する可能性が示されました。このような急速な技術革新は、私たちのビジネスモデルや働き方に大きな影響を与えることが予想されます。
## CVCAによる価値連鎖の可視化
今回の分析では、CVCA(Customer Value Chain Analysis:顧客価値連鎖分析)という手法を用いて、ステークホルダー間の価値提供の関係を可視化しました。この作業を通じて、誰が真の顧客なのかを把握し、それぞれに適切な価値を提供できているかを検証しました。
ケーススタディでは、地方における医療機関へのMaaS事業展開について検討しました。
私は病院、地域住民(患者)、タクシー会社の三者間での価値連鎖を分析しました。例えば、病院にとっては患者の確実な来院による診療機会の確保、住民にとっては通院手段の確保による受診機会の増加、タクシー会社にとっては予約の安定確保による収益向上といった価値が考えられました。
## 戦略立案への挑戦:GQM+Strategies
最後に取り組んだGQM+Strategies(Goal Question Metrics + Strategies)は、企業目標から具体的な施策までを体系的に整理する手法です。この部分が参加者の皆さんと同様、私にとっても最も難しい課題でした。
私の検討では、病院予約とタクシー予約を同時に行えるシステムの構築というアイデアまでしか到達できませんでしたが、AIを活用した効率的な配車計画や、複数患者の相乗り機能の提案など、より発展的なアイデアも出され、視野を広げることができました。
## 今後の展開
2時間という長さでしたが、Hさんの親しみやすい進行と熱意あふれる指導のおかげで、あっという間に過ぎ、充実した時間となりました。普段の業務とは少し異なる視点で考える機会を得られ、非常に有意義でした。